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趣味と道楽の狭間で

 投稿者:資料管理請負人  投稿日:2014年 9月12日(金)21時12分31秒
返信・引用
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  趣味と道楽の狭間で(狭間シリ-ズ1)    古賀 和彦


 棋譜を並べながらふと考える。将棋を楽しむことは、趣味なのか或いは道楽なのかと。
 音楽ならジャズ、ラテン、クラシックなどあらゆる分野を聴いてきたし、高校時代はブ
ラスバンドに席を置き、野球の応援で甲子園まで行く幸運を得た。ただ一つハードロック
は生理的についていけない。聴力に問題がある私もこの騒音には精神を痛めつけられ出家
したくなる心境に陥る。又、絵を観ることも好きである。実は上手下手は兎に角、画く事
も大好きであったし、たびたび一人でお堀端にスケッチに行った記憶があるが、美術の教
師に散々貶された時からそれもぷっつり止めた。若さの馬力で敢えて難しい書も読み漁り
もした。スペンサーの『衣装哲学』とかラスキンの『胡麻と百合』、或いは日本文学だと
一語で表現するであろう事を百語も駆使し飽くことを知らないようなロマン・ロラン、ジ
イド、スタンダール、サルトル等のフランス文学。或いはロシア、ドイツ文学。アラン全
集とプルーストの『失われた時を求めて』は中途でやめて長くなるが、人生の最後の安ら
かな数年間、過去を求めたくなる時まで置いておくつもりでいる。
 広辞林によると、趣味とは専門としてではなく楽しみとして愛好すること。道楽とは本
業以外の趣味などにふけること。二つとも同じ事を述べている様でどうもまだその相違が
判然としない。ふだん我々はなんとなく確かに使い分けしているようだが、いざその違い
を述べよと言われると、人は何故に生きるかと問われると同じくらい一瞬戸惑うものであ
る。

 英語の辞書では
  ◆道楽: a loose life, debauchery, profligacy
       放蕩、不品行、浪費
 ◆趣味: taste, interest
       味、味覚、風味、風情、審美眼、興味などが同義語としてある。
前者は興味の対象より生活態度を、後者はむしろ対象そのものにたいする興味を表現して
いるようである。
 では、一般的に道楽としては、呑む・打つ・買うの表現で代表される酒・賭事・女の他
に、釣り、収集等であろう。釣りや収集等は趣味と言える場合もあり、どうも熱中の度合
いで表現が変化するようである。又あいつは女の趣味がよいと言う具合に表現しないこと
もない。女権拡張に伴い、あの人は男の趣味が良いという風になりつつあるかも知れない。
趣味は、絵、読書、音楽、カメラ、旅行、スポーツ、囲碁、将棋等になろう。趣味も度が
すぎると道楽になる危険を孕んでいるが、しかし道楽が趣味に昇華することはなさそうで
ある。
 経済的、社会的、性格的等の視点で考えてみると、道楽は不道徳で一種後ろめたさを伴
いながら財力を省みず、又は他の生活部分を切り詰めて、夢想的、情熱的、破壊的に己の
みの興味に耽り、家族、親類縁者に多大な迷惑をかけても一向にその状態から抜けられな
いし、本業よりも更に時間と労力と金を惜しまない状態としての対象に対する生活態度。
趣味はある一定の自由になる財力の範囲内(ポケットマネー)あるいは本業に差し障らな
い時間内で教養的、理知的、余技的に、節度ある楽しみを求めるためのものであろう。
 また、前も述べたように半分以上は本業よりも道楽に傾いているから、食いつめてそれ
を職とすることは考えられる。しかし、趣味においては、一般に趣味と実益を兼ねて羨ま
しいなどと云うが、このことについては矛盾がある。趣味を金儲けの手段としたとき、社
会通念の束縛を受け、また義務と責任をおわなければならないので、本業以外の楽しみと
いう定義と、楽しみそのものの二重の意味で矛盾する。ゴッホやシューベルトのように職
業としたおかげで生前は悲惨だった例が数多く存在する。パチンコや競馬などの賭事の楽
しみ、ひいきのプロ野球チームの勝敗に一喜一憂したり、些細なことで楽しみを見つける
ことの出来る人は幸せである。
 そこで最初の問いに戻ってみると、数百万円の碁盤を求めるとか、高価な初版本の収集
にのめり込むとか、ベートベンの「歓喜の歌」を歌うためにウイーン詣でをするとかの夢
想的、情熱的、破壊的な熱意もないし、道楽の生活にある一種の憧れ、羨ましさの感情が
残ることも否定出来ないながら、後ろ指を指されない趣味の範囲であるという結論に至っ
てほっとしている。

 だが最後にもう一度広辞林を調べてみて驚いた。なんと末尾の項目に「道楽とは道を解
した楽しみ」とあるではないか。だとすると、いままで述べてきた反社会的な暗いイメー
ジの表現を述べた、呑み・打つ・買う等の眉をひそめるだけの対象だけではなく、本来は
趣味といわれるものが対象ではなかったか。一種の羨ましさの感覚があったのはあながち
的はずれではなかったのかも知れない。経済的、精神的余裕があり、趣味的な自己規制を
した楽しみではなく、より自由に、より闊達に、より高度の域に達する楽しみの出来る環
境にいる人のみが得られる楽しみではないのか。そう考えると、趣味とはなんと時間や金
銭やその他の条件を憚りながら楽しみを見つけなければならないのか。願わくは一度道楽
の世界を覗いてみたいものである。

 
 

松濤学舎

 投稿者:資料管理請負人  投稿日:2014年 8月30日(土)21時28分54秒
返信・引用 編集済
  .
  松濤学舎           田辺 悟朗


 佐賀県人会学生寮松濤学舎は渋谷駅から歩いて八分位のところに有った。
 幸か不幸か私は入寮はしていない。両親が転職で西永福に住むこととなったので大学四
年間は親元より通う羽目となった為である。だが生憎と四年を通じて渋谷駅が通学の乗換
駅であったのでつい足が向き、今でも舎友会の集まりに通いの寮生として出席させて貰う
程である。いわば良くも悪くも学生生活の根城のようなものだった。

 渋谷駅前の大盛堂書店の横を入って繁華街の中を歩くと右側に渋谷食堂を見て三平食堂
の前を通る。この通りには四階がビリヤードで五階が麻雀荘の汚いビルがあり、年代もの
のエレベーターも懐かしい。頃合いを見て左へ曲がると大通りへ出てそれは間もなく左
へ大きくカーブする。この道に面した小学校の校庭がコンクリートで固めてあるのを初め
て見たときは驚いた。よく頭を打ったり擦りむいたりしないものだなあ。
 小学校の斜め向かいはカレーのムールギー。この道を三十m位行けば確か道が少し狭く
なる。ここで左へ曲がれば急な上り坂となり、登るほどに渋谷の賑わいが嘘のような閑静
な高級住宅地となる。その突き当たりの頂上部に異分子松濤学舎があった。寮の前を左へ
折れて行けば山本富士子や東竜太郎の邸宅が有った。
 放歌高吟その他近所へ迷惑を掛けることも多かった。まだ学生に対し寛大な時代ではあ
ったが度重なれば苦情も多く、その対応と盗食対策とが寮監の悩みの種であったようであ
る。

 初めての大学受験の折は親はまだ佐賀に居たので松濤学舎にお世話になった。古き良き
時代、進学指導係の森さんの要請一つで渡辺先輩が東京駅まで迎えにきて呉れた。いわく、
急行を降りたホームを動くなという―子どもじゃあるまいし、改札口まで行ったり電車を
乗り換えて渋谷までくらい行けると思ったが、東京駅へ着いて納得、佐賀駅と違い改札口
がいくつも有る。おとなしく先輩に引かれて渋谷駅はハチ公口に降りたって又驚いた。お
びただしい人の群れ、同行の古賀俊之君(通称ラッキョ)が云った。「うわあ何ですかこ
いわ…日峯さんのお祭りのごたっ。何か(催しでも)有っとですか。」
 それから一年間は東京での浪人生活、これは比較的真面目に過ごした。所が古賀ラッキ
ョ君も同じように一浪の末松濤学舎に入った。他にも佐高同期生が多士済々である。私の
通いの寮生活が始まった。
 金丸俊久君はとにかく頭が良く手先も器用だった。色々と麻雀必勝事前対策を考案し器
用にこなしバレルことが無かった。才能を生かして歯科医を開業、これからという時に二
十年振りの再会も出来ないうちに急逝した。何か天才は人の倍の早さで階段を駆け上がっ
ていったような気がする。本当に気のいい奴だった。合掌。
 内田忠夫君、東田君にはダンパ荒らしを教わった。モテたのモテないのと云いながら懲
りもせずダンスパーティに通ったものである。
 他校出身も含めて麻雀のメンバーには事欠かず、御厨康司君も練達の域であった。私は
と云えば無器用な方なのでラッキョ、金丸にはカモにされた口惜しさが残るが、今の全自
動なら負けないと自負している。

 こんな根城があったから渋谷の街も我が物顔で闊歩した。恋文横町には汚い暖簾の食堂
が立ち並び台湾料理の麗郷があった。ガツ、豚の耳、その他。少しおごって百軒店の銭形
寿司で夕食をしたり、テアトルSS、井の頭線横の黒い瞳で冒険した。
 先輩諸氏にも色々とお世話になり教わった。通いの寮生である為、学生寮の序列の規律
を味わわずに減らず口をたたいていたような気がする。
 青春時代の交友が佐賀に偏りすぎたキライはあるがあの頃の重大なイメージとして松濤
学舎は私の心に焼きついている。
 残念ながらその松濤学舎も先年二十数年振りに足を延ばして見に行ったら跡形も無く能
楽堂のような物が出来て居て道路も整備されていた。


*佐賀育英会 「松濤学舎」 昭和4年頃
   (日本古写真倶楽部より)
 

言葉集め星創り 二十八番

 投稿者:資料管理請負人  投稿日:2014年 8月30日(土)21時02分51秒
返信・引用
                                                                               .
  言葉集め星創り 二十八番     北 勲


                                      ☆

 みやこ 超高層ビル 官庁街 アメニティ 自由 廃墟 ニュータウン 高速道路 都
心 ゲゼルシャフト 連帯感 ファッション 近代化 大都会 都市 軸 目抜き 盛り
場 場末 出外れ 不夜城 花街 下町 ダウンタウン 横町 裏町 スラム 首都 帝
都 京 中央 古都 城下町 冷たい 不人情ゴーストタウン メガロポリス 町 ショ
ッピング 下水道 緑化 都市計画 公園 住む 働く 遊ぶ学ぶ 費やす TOKIO い
かがわしい カオス 専門店 商店街 デパート 利便 コンビニ 物流 楽しむ デザ
イン 欲望 犯罪 山の手 東京タワー 歌舞町 皇居 はとバス 銀座 新宿 丸の内
 渋谷 秋葉原 六本木 浅草 標準語 風俗 町人 市民 長屋 江戸 いなせ 粋
史跡 ビジネス 資本 大気汚染 騒音 情報過多 交通渋滞 文化 繁華な いたずら
電話 無差別テロ 路面電車 築地市場 水洗トイレ 救急車 焼け跡 生まれる 交わ
る 相互扶助 死ぬ 工事 外国人 ネオンサイン

                                      ☆

 ブーローニュ 狩る 漁(すなど)る 培(つちか)ふ 罠(わな) 釣る 煮炊く採
る フィトンチッド ジャングル 森林 紅葉 スミレ さえずる 蔓(つる) コケ
シダ ミミズ 睡蓮 ネザサ 渡り鳥 イチョウ サクラ ケヤキ沢 泉 キンモクセイ
ホテイソウ 枝打ち 間伐 アブ 川 ムカデ 蝉 緑 ムササビ 神木 腐食鎮守(ふ
しょくちんじゅ)の森 植林 精霊 こびと 信太(しのだ)の森 原生林 湿原 ハイ
ドパーク 落ち葉 山採り 新緑 草地カッコウ 馬 水田 スズムシ 泳ぐ 熊 ハン
ター カメムシ 静けさ リス シメジ キジ タヌキ雪下ろし 漆 かぶれる マムシ
噛(か)む 刺す 照葉樹林(しょうようじゅりん) ブナ 天狗 アマゾン 風土 景
観 春夏秋冬 刈入れ 鹿 野生 冬篭もり かんなび 森林浴 火 水 星 自給 傷
切る 荒ぶる神 宇宙樹オオカミ 花粉 キツツキ 木霊 サルオガセ シャーウッドの
森 シュヴァルツヴァルト 樹海 竹林ドングリ バーナムの森 フクロウ 里山 薪炭
山菜 木陰 マツ 憩い クルミ アケビ 沼 林道アウトドア

                                      ☆☆

 フィトンチッド町 シャーウッドの森とバーナムの森とをつなぐ路面電車 野性はとバ
ス ゴーストタウンの荒ぶる神 野性街 下水道のサクラ 星を引き下ろす犯罪 花粉工
事 マムシとの連帯感 精霊TOKIO 紅葉騒音 フィトンチッド工事 繁華な原生林 い
かがわしい星 スミレのように小さいネオンサイン カブトムシ路面電車 無差別テロと
い名の木陰 腐植町 オオカミのいたずら電話 焼け跡のような睡蓮 いなせなキジ 下
水道のさえずり ムカデ繁華 メガ口ポリスのスミレ バーナムの森のような犯罪 星を
使う工事 同じフィトンチッドを浴びた連帯感 精霊町 サクラのような標準語 原生林
を巡るはとバス TOKIO樹海 ジャングルのような騒音 フクロウファッション いなせ
なシャーウッドの森丸の内の睡蓮 ムカデ語をしゃべる外国人 原生林は自由 ネオンサ
イン風土 ネザサに変わりつつある超高層ビル ジャングル町 雪下ろし不夜城 竹林公
園 アブ目抜き スズムシコンビニ はとバスで精霊、こびと、信太の森巡り

                                    ☆☆☆

 ◎泉の水を使って生まれる。◎睡蓮と睡蓮を路面電車がつなぐ。◎フクロウがはとバス
を襲う。◎メガロポリスをアウトドアする。◎自由を飲む。◎天狗と遊ぶ。◎焼け跡がコ
ケする。◎下町を野性する。◎メガロポリスは森林である。◎荒ぶる神が長屋の住人だっ
た。◎交通渋滞をミミズする。◎フィトンチッドを浴びて生まれる。◎人々はいわば出は
ずれに出くわす楽しさをいろいろと満喫した。◎ホテイアオイは騒音を吸う。◎新宿は精
霊・こびとの住む街である。◎フィトンチッドで水洗トイレする。◎ネオンサイン罠に熊
がかかる。◎かんなびの森の騒音は、神や祖霊、天狗や木霊たちの私語。◎資本をジャン
グルする。◎照葉樹林文化や伝承が掘り起こされた。◎丸の内で森林浴する。◎不人情を
キツツク。◎火のようなゲマインシャフト、水のようなゲゼルシャフト。◎外国人は春夏
秋冬語をしゃべる。◎過激でユーモラスなのは天狗ファッションだ。◎無差別テロは睡蓮
の名前である。◎かんなびをいなせする。◎宇宙樹がそびえて東京タワーみたいだ。

                                    ☆☆☆☆

 メガロポリスが森林である。こんなことも知らないJ.P.ヴィユヴェールは、ことあ
るごとに笑い転げた。電車の鉄路が草の間に埋まっていると言っては指さして笑い、吹抜
け駅舎の屋根も草で覆われている、と言っては肩をすくめて笑った。
 丸の内に蓮池がある。散在する超高層ビルはフロアごとに土が敷き詰められており、内
からもすっかり緑化されている。秋、それが紅葉する。メガロポリスは実はその名のリス
である。フクロウがはとバスを襲う。どれもこれも笑いの種だった。
 そのうちに精霊町の出はずれで天狗に出会った。これにはさすがの異国人も肝を潰した。
泣きそうな顔で、ここは安全な町かと聞いた。人々はこのような出会いを楽しんでいるの
だ、と教えてやった。笑いは消え、真顔で遇することか多くなった。
 シャーウッドの森とバーナムの森とを繋(つな)ぐように、睡蓮と睡蓮を路面電車が繋
ぐ。かんなびの森の騒音は、神や祖霊、天狗や木霊たちの話声で満ちている。彼は、カオ
スがあるね、恐ろしさがあるね、と今ではまんざらでもない声で言うのである。

                                      ★

【みやこ】宮処。皇居のある所。首府。政治・経済・文化の中心として賑やかな所。
   <(雨)小止み>の<みやこ>。『京(みやこ)と鄙は対語。鄙には農村・農地の 意味
 と、自然のと意味があるが、今後の日本は後者に 偏っていく。(園田英弘)』

【アメニティ】単に危険・災害・公害などの防止にとどまらず、都市計画が求める快適な
 生活環境。<雨にティ>。「アムネスティ」は国際的人権擁護団体。

【ニュータウン】大都市近郊に住宅地として計画的に作られた都市。

【ゲゼルシャフト】株式会社に代表されるような利益社会・地縁・血縁的な共同社会(ゲ
 マインシャフト)に対して、近代社会はこの利益社会が優越的である。

【都市】人口が多くてビルや住宅が密集している所。<都市>の<尿>。同じ都市でもその文
 化や雰囲気を語 る場合は

【都会】<カイト>の<問か>

【目抜き】特に目だつ場所。繁華街。ダウンタウン。<絹目>

【出外れ】町や村の中心からはずれたところ。<出ず晴れ><派手レズ>

【花街】いろまち。花柳街。芸者屋・遊女屋などか集まっている。

【メガロポリス】いくつかの都市が発展して帯状に連続し、機能的結合が見られる地域。
 日本の東海道地 域や森林都市など。「メトロポリス」は首都。

【町】森林都市には、フィトンチッド町、腐植町、などの他にも次のような町がある。
 ―紅葉町 スミ レ町 蔓町 シダ町 ミミズ町 睡蓮町 渡り鳥町 キンモクセイ町
 スズムシ町 ムササビ町 神木 町 こびと町 湿原町 草地町 カッコウ町 熊町
 カメムシ町 リス町 シメジ町 キジ町 ブナ町 天狗町 鹿町 冬篭り町 森林浴町
 星町 カブトムシ町 花粉町 キツツキ町 木霊町 樹海町 竹林町 フクロウ町 ク
 ルミ町 アケビ町 沼町

【都市計画】日本が「床」の建築に対し、西洋は「壁」の建築である。都市づくりも日本
 が「部分発想」、西洋は「全体発想」による。(芦原義信)

【カオス】魔の巣くう混沌。守られて安全な領域「コスモス」に対する。<侵す><カオス>

【いなせ】江戸日本橋魚河岸の若者が髪を鯔背銀杏(いなせいちょう)に結っていたこと
 から、粋で、威勢がよく、さっぱりとして男らしい様や気風。「刺繍だらけの侠気な哥
 が」

【ネオンサイン風土】森にはネオンサインをふり撤くフィトンチッドかある。大木の根元
 にはスミレかと思う小さなネオンサインか咲く。泉には次々とネオンサインが湧き出、
 池には睡蓮ネオンサインが花咲いている。ネオンサインか培われ、その刈入れが行われ
 ている。ネオンサインを釣り、ネオンサイン罠に熊を生け捕る。ゴミ場にはネオンサイ
 ンが捨てられており、蒸焼きネオンを食べ……森林都市は一時、このような風土にベク
 トル化したことかあった。

                                      ★

【ブーローニュ】パリにある森林公園。動物園や競馬場があり、市民の憩いの場。

【フィトンチッド】樹木から放散されて周囲の微生物などを殺す働きをもつ物質。

【森林】森の空気がおいしいのは、森が大気中のさまざまな汚染物質を吸い取ってしまう
 からでもある。

【紅葉騒音】ヤマウルシの赤、ブナの黄、トチの茶…紅葉の様々な色が一面にいっしょく
 たに広がるのを騒音に喩えた。おしゃべりに熱中する娘たちがあげるかしましさについ
 ても言う。「通学電車の中、紅葉 騒音にはへきえきしましたよ」

【サクラ】<桜>は<暗さ>を含んでいる。夜桜という桜固有の美しさを暗示するものなのか
 あるいは桜が国花であることに鑑みると、何か日本の本質や将来を言い当て、予言する
 ものであるのか……本格的な論考をまちたい。

【腐植】土の中の動植物の遺体は微生物の働きによって分解されるが、その過程でできた
 有機化合物。
 肥沃な土の重要な構成要素。

【信太の森】大阪府和泉市の信太山にある森。ここの女狐が人間と結婚して子をなすが、
 見破られて姿を消したと伝えられる。浄瑠璃、歌舞伎などに脚色。

【落葉】日本の美しい森林風景を作っているものに、落葉広葉樹の新緑と紅葉がある(市
 川健夫・斎藤功)。 <落葉><喰らうよ>。

【バイトパーク】ロンドンの公園。もと王室狩猟場。園内に演説広場がある。

【かんなび】神霊に鎮座する森や山。万「かんなびにひもろき立てて斎へども人の心はま
 もりあへぬもの」。<過敏な><美男か><なびかん>。

【照葉樹林】シイ・クス・ツバキなどが代表で、その葉は革質で光沢がある。常緑広葉樹
 林。亜熱帯から温帯に発達し日本文化の伝来にも関わりあるとされる。

【宇宙樹】『山海経』記載の扶桑の木。その枝に十個の太陽をつけているという。内一個
 がいわゆる太陽として海上にあり、他の九個は海中に没している。

【花粉工事】黄粉餅を作る作業を子供たちが言う言葉。「これおすそ分けね。きなこもち、
 花粉工事でたんとできたの」

【サルオガセ】深山の針葉樹に着生、長く垂れ下がる。空気・水の摂取葉、自前。

【シャーウッドの森】伝説上の義賊ロビン・フッドの根城。彼は、弓を引いて悪代官をこ
 らしめ貧民を救った。イギリス国民に最も愛されている人物という。

【シュヴァルツヴァルト】ドイツにある「暗黒の森」。悪魔・悪霊・魔女・妖怪の住む世
 界として紀元前から恐れられてきた。森林都市は、都市のコスモスとシュヴァルツヴァ
 ルトのカオスの稀な結合である。ビルの中に緑地を持ち込むことが長い間行われたが、
 人々の欲望はそれに留まらなかった。なにしろビルの中の自然にはカオスがなかったの
 だ。

【バーナムの森】シェイクスピア『マクベス』登場の森。動かないはずのこの森が動いて
 (実はカモフラージュした兵隊)予言通りマクベスは戦いに破れた。

【またぎ】東北地方の山間に住み、昔ながらのしきたりで猟をする狩人。

 

山形春秋

 投稿者:資料管理請負人  投稿日:2014年 8月30日(土)20時23分21秒
返信・引用 編集済
   .
  山形春秋               熊井 浩二


 山形県の村山市に企業進出してから、もう四年を過ぎた。私は家族を横須賀に置いて、
今単身天童市に住んでいる。ここは蔵王のある奥羽山脈と、月山・朝日岳のある朝日山地
に囲まれた盆地になっており、夏暑く冬寒い所であるといわれている。
  山形へ出る前の横須賀、約六十名が山形へ転勤する必要があり、その人選が行われてい
た。会社の中では、こういう噂が飛び交っていた。「蝉が鳴いていた、近づくと蝉はパッ
と飛び立った、しかし次の瞬間蝉はその暑さでパタッと地面に落っこちた」。「冬の山形
は雪がすごい、皆二階から出入りしているらしい」。

 いざ山形へ住んでみると全くこれが眉唾ものであることがわかった。夏は日が沈むと熱
帯夜は殆ど無いし、冬も車さえあれば自由に往来できるし、この天童は雪積も三十センチ
ぐらいのものである。それよりもやはり住めば都、再び訪れた独身生活を満喫している。
(この事はうちの奥さんには内緒である。奥さんには一人暮らしは大変なんだと言ってあ
る)。
 第一この頃では横須賀には俺の居る場所が無くなったのである。家に帰ってみると俺の
部屋は息子に占領され、俺の洋服ダンスにはいつの間にやら家内と息子の服が侵入して、
俺の服は隅っこに追いやられて小さくなっているのである。その上に庭の手入れやら何々
の修理やら色々の仕事か溜めてある。大事にされたのは一年ぐらいであったか? その点
山形は好い。会社から帰れば全部自分の時間、何をしようと勝手である。素っ裸でブラブ
ラしていても誰も文句を言う者は居ない。
 私はスポーツ好きである。現在はテニス、ゴルフ、ソフトボール、水泳を、たまにバレ
ーにも手を出している。極めて健康である。二年前の体力測定では二十代という数字が出
たし、先日の健康診断でも何一つひっかからなかった。強いて悪いところを探せば頭ぐら
いのものである。

 こちらは空気が新鮮、米がうまい、従って酒がうまい、そして人情味豊かである。東北
は特に秋が好い。紅葉の美しい渓谷が沢山ある。雪の国の樹木は葉を落とさなくては雪に
倒される。倒されない落葉樹だけが生き残ったと言うべきか、冬支度の前に一度晴着に着
飾るように、一斉に山々が色を変える。去年行った十和田湖、奥人瀬渓流は圧巻だった。
紅色や黄色の大木の下にはいると昼間でも夕焼けのように赤い光に包まれた。冬の山形は
雪空、曇空か多く確かにうっとうしい。しかし思った程寒くはない。それは盆地だからだ
ろう。冬風が無く、風と雪が吹き荒ぶという日は殆ど無い。
 それに空港も、商店も、会社もお役所も無料駐車場が完備しており、どこも車で乗りつ
けることが出米るから、外に出る時間が無いのも理山のひとつである。三月を過ぎると急
に日射しに暖かさが加わる。雪の間から黒い土が見えたかと思うと、雪の下で長い間春の
準備をしていた草花が、一挙に緑色に色づき、梅桜桃が同時に花開く。しばらくするとさ
くらんぼがたわわに実をつけるのである。山形ではこの様に、はっきりした四季を満喫で
きるのである。

 [亭主元気で留守が好い]うちの奥さんにも喜ばれているはずの独身生活。そろそろ街
路樹のモミジ、カエデが色づき始めた。さて!次の休日はどこへ出かけようかな? それ
ともゴルフにするかな? うちの奥さんには内緒だよ!

 

巻頭言

 投稿者:資料管理請負人  投稿日:2014年 8月30日(土)19時00分38秒
返信・引用 編集済
   .
  巻頭言


 この文集は、広く同窓生に開かれています。私たちの励まし、慰め、救いの場です。

一、同窓会は貴重な共同体です。近代社会は個人を生みました。私達もかつて学び働くた
 めに村や町を後 にしました。私達は独りになって自由を得ましたが、代償として孤独
 も得ました。人は弱く、励まし・慰め・救いを求めてヘルプを叫びますが、得られず孤
 独なのです。家族は助けてくれます。職場・仲間なども助けてくれましょう。私たちの
 同窓会も幾つかのそれら共同体の一つとして位置づけられます。

一、この文集は、またこれからの超高齢化社会を生きるための、楽しみの場でもあります。
 私たちはいづれ、老年期に入り、体力・気力の衰えを感じる事になります。しかし私た
 ちはあと十年、二十年、三十年を生きなければなりません。生きるとは、まず死ぬまで
 生きることです。それから、生きるとはいきいきと生きることです。過去の思い出にひ
 たるのもけっこうですが、これから迎える老年期を迎え討つ気概が必要なことを感じま
 す。そうすることによって、私たちが遮二無二働いて高度経済成長社会に貢献したよう
 に、世界でも未曾有のこれからのわが国の高齢化社会に貢献することにもなるでしょう。
 「斜光」は、その意味で高齢を生き抜くための、励まし、慰め、救い、そして楽しみの
 場であるばかりでなく、工夫、企みの場としても位置づけられます。

一、テーマは自由です。随想、評論、小説、紀行、日記、詩、書簡、論文、実録、感想、
 なんでもかまいません。多くの方の投稿を歓迎します。

一、今号はテスト版、試みとしてパイロット版として出版したものです。

                                   北 勲


 

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